みるく工房飛鳥 心のふるさと明日香って・・「ほっと・・」するよね 自然がいっぱい 言いあらわす事のできない 安堵感があるのは私だけ 疲れた時 むなしい時 かなしい時 たのしい時 ふり返れば、そこには いつも明日香がある
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m.asuka牛歩の遍歴 進めるところまで進みます。
みるく工房飛鳥通信 西井牧場のasukaの独り言
 明日香の田園も早い所では稲穂が出揃い、とんぼが飛び交い、あの猛暑から残暑へと季節が移り変わり一息つくことができたかな、 牛達もやれやれと言った様子で、夏の疲れを感じているみたい。 これからが、牛達にも夏バテの季節で辛いものがある。 ここからが牛飼いの腕の見せ所、と毎年思うのだが何故か惰力で過ぎてしまう
牛歩の遍歴 五歩目
  いよいよ、8月も半ばになろうとしている、昔ながらの蝉の声、風鈴の音、アイスキャンデー売りの鐘の音・・・を聞きながら、そう言えば、蚊屋の中で昼寝をよくしたものだ、日中は暑さのため外で遊ぶ事は無く、ただ寝るだけ、そんなあの頃が懐かしい。 野菜農家のため朝早くから両親は畑へ、きゅうりやトマトの収穫に出かける、収穫された野菜は納屋へ持ち込まれ、選別され箱に詰めるのだ、いつも俺の仕事は汚れたトマトをボロギレで綺麗に拭くことだ、青臭いトマトの匂いは身体にしみつき、アクは俺の手を真っ黒にしてしまう、いくら石鹸で洗って落ちず黒いままだったのを思い出す。
8月にもなれば、トマトに変わってスイカが納屋を占領してしまう、熟れたスイカがごろごろと山積みにされ、それを一個ずつ、ほり投げて相手がキャッチしながらトラックに積み込んでいく、小学生の俺には両手で抱かえてようやく持てるような大きなスイカを軽々と投げる技は、まるでサーカスで曲芸をやっているみたいだ。 兄は、自分の持てるような物を選び俺に向かって投げてくる、わざと俺が持てないの知って始めは小さいのから、しだいに大きいスイカになってくる、受けるのに必死になっている俺の姿を見ながら笑っている、これでもかって、極めつけの大きいのを俺に投げてくる、「ドスン」と言う音が聞こえると同時に下を見ると、スイカが割れている、「落としたらあかんがな」と、罵る声、回りの視線がいっきにこちらに向き、バツの悪さに思わず涙がこぼれ泣きじゃっくってしまった。 今、思えば、兄弟喧嘩が絶えなくなったのもその頃からのような気がする。 今年も、収穫された大きなスイカを見ていると昔を思い出す、「このスイカはお盆に供えるからとっておくねで」って、亡くなった祖母が俺に言いきかせるように呟く。 そう言えばもう盆だなぁ、夏休みのなかで楽しみの一つだったかもしれない、なぜならば叔母さんたちがお墓参りに帰ってくる時の手土産やお供えが目当でわくわくしていたのを思い出す、日頃、見たことがないようなメロン、桃、ぶどうが仏壇の前に供えられ、それを眺めて、早く食べたくて待ち遠しかった。 その横には、お盆用にとってあった見事なスイカが並んでいる、トマトやなすびなど我家でとれた野菜を芋の葉の上に並べ、収穫の喜びを先祖様と分かちあうのだ、ご飯時には精進料理で小芋の煮炊きや芋茎のおしたし、わらびやぜんまいと油揚げやこんにゃくの煮物などが供えられる。 朝、早くお墓まで、線香を持って先祖様を迎えに行くのだ、お墓の前で線香に火をつけそれを持って帰って仏壇にたてるのだ、「この線香は先祖様だから、火を絶えさしたらあかんで」って、祖母は言う、夜中も線香を立て替えてたようだ、線香の香りでイッキにお盆の雰囲気が出たのが何故か不思議だったような気がする。 ある時、祖母が俺に「線香を変えてきてや」って、おそるおそる仏壇の前に行き線香を手にとり、マッチで線香に火をつける、そのマッチの火を消す時に思わず今、火をつけたばかりの線香が折れてしまった、「ドキッ」俺は先祖様を殺してまった、「怒られる」と、新たに火をつけ直し立てておいた、折れた線香は誰も見ていない事をいいことにして庭に捨ててしまった、亡くなっているのに殺してしまったって思うのは今考えれば滑稽な話だ、楽しみしていたお盆も、バツが悪く元気が無くなっていた、その夜、母にうちあけると「そんなんかまへんで」の一言、いままでの俺は何だったのか、 次の日の夕方に、また先祖様を墓まで送って行き盆も過ぎてしまったと安堵感があった、夜には、仏壇から下げられた供え物を目の前にしておもいっきり食べまくったものだ。 今年も盆を迎え、世代は変わっても、我が子を見ていると、あの時を思い起こす。

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